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公共施設のINAX/LIXILのフラッシュバルブ式のトイレ・汚物流しのハンドル・レバー不良、少ししか水が流れないを修理する。

2022年8月5日

レバーを引いても少ししか水が流れない

⇒ 手っ取り早く、作業を素早く見たい方は

ある日、某公共施設で、「汚物流しのレバーを引いても少ししか水が流れず困ってるんですが、直せませんか?」と。

家庭用トイレなら多少いじったことがあるが、駅・学校・役所・病院など公共施設によくみられるこれは構造も考えたこともない。これは「フラッシュバルブ式」と言うらしい。

家庭用のトイレは水を貯めるタンクがあるが、これは水道管直結なので素早く流すことができ、待ち時間がなく、多数の人が利用するのに便利らしい。

INAX/LIXILのS-233と言う汚物流しで、シールから類推すると1985-2004年ころのものらしい。


試しにレバーを引いてみると、確かにちょろちょろしか水が流れず。これでは困るであろう。レバーをくるくるまわしてみたりしていじっていたら、変なことを発見した。

「あれ?これレバーを引くとちょろちょろだけど、押したら普通に勢いよく流れるよ」「ここの全体を交換すれば完全に直ると思うけど、すごく古そうだから同じものがあるかどうか。あとレバー単体でパーツがあればそこだけで直るかもしれないけど(自信なし)」

「なるべく安く!」と。

「(えー全体交換なら逆に簡単なのに。)直るかわかんないけど調べてやってみるけど。」


フラッシュバルブ式とは?

今まで考えたこともありませんでしたが急に疑問が、「これはどうゆう仕組みなんだ?」

家庭用のトイレのタンクの蓋を開けたことのある人は知っていると思いますが、あれはタンクの中に浮き球があって釣り糸みたいにチェーンがついています。
水がタンク内にいっぱい貯まれば浮き球が浮くので、チェーンがたわんで水道管からの流入が止まる仕組みです。

フラッシュバルブ式トイレの流れ具合をみると、1回に流す水の量は一定で、しかも一定量流すと水は自然と止まる。
そしてレバーを360度どの方向に押したり引っ張ったりしても同じ動作をする。
当たり前だが電気や浮き球=フロートなんか使ってない。


とても良いページがあった。よく読んでもらえばわかるが自分なりの解説を加える。

1,中央の太い円筒部分に、上下動するピストンバルブが付いている。
# これが上下動するピストンでもあり、水を制御するバルブでもある所がポイント!

## 実際に真ん中のフタ部分を外したまま、少し水道管を開いてあげると水が満ちてきて、このバルブが浮き上がってくるのが確認できる。

2,このバルブの自体に先ほど外したフタ方向と便器側への2つの水の経路がある。

3,何もしない時は、ピストンは上室に常にかかっている水道圧で下に押し下げられており、水が便器側に流れる事はない。

4,レバーを引くとレバーと反対側から円筒室内に棒が出て、フラッシュバルブのバネにつながったピンを押す(蹴とばす)

5,ピンが蹴とばされるとピストンのスカートのメッシュ部分から水道水が流れ便器が洗浄される。同時にピストンのてっぺんの切れ込みから上室へ少しずつ水が溜まりはじめる。

6,ピンが蹴とばされた後でもバルブはまだ下に下がりきっていないので、バルブと水道管の隙間から水は流れ続ける

7,上室に水が充満するとフラッシュバルブは下に下がり切り、水道管からの給水を断ち切る。

ピストンの不具合や劣化が発生すると

以上から「フラッシュバルブ式の水が流れっぱなは、ピストンの自体の問題=ピストンの網が詰まっていて上室に水が充満しないか、バネが極端に弱っていてバルブが閉じない(まれ)、周囲のパッキンが破れている」

詰まっている場合は歯ブラシなどでメッシュ部分を清掃する。小便器用の様な小さいピンホールで水量を調節しているタイプなら、細ーいハリで清掃してみる。

レバーの作動不良

レバーが劣化すると、当方のように「水がうまく流せない」状況が発生します。動きを見てみると「レバーを手前に引いても、奥に押しても中に棒がでっぱるけれど、手前の方は突き出しが少なかった」です。

どうやら写真の白いプラスチック(おそらくジュラコン樹脂なのでかなり耐久性はあるはずだが)が、20年の超長期使用でさすがに摩耗した様子。

必要なもの

・ マイナスドライバー

・ モンキー よくある38mmまでくわえられるものでは足りない。パイプレンチでもOK。

あとは、必要に応じてピストンやレバーを注文すればよいのだが「紛らわしいので、十分注意して注文して欲しい」。# 当方はレバーを2回も間違えてしまった。。。

・ レバー(ハンドル)の選択: ネジサイズやサイトによっては適合製品まで書いてあるが混乱するので「図が全て」と判断した方が良い。## できれば注文前に一度ばらして確認しておいた方が良い。

一番旧式のA-501は、レバー(ハンドル)の先がとがっているのが特徴。A-591はほとんど見ない変わったタイプ。

A-501-10と-20の差は、-10が通常タイプであり、-20が節水型という事。写真のM36X1.5と書かれた下の部分のてっぺんナットが突き出していれば(通常型)で-10、帽子をかぶっていれば「節水型」で-20※ 実は -10は全長が118.5mmであり、-20は122.0mmで長さも違う。

・ フラッシュバルブ ピストン部 A-580

ピストン部も混乱するが、これはLIXILのページで調べるより。現物を測ったほうが良い。今度はΦが違っていたりする。今回のような通常型がΦ28mm、節水型や最近のものはΦ32mmの様子。

当方は下記の組み合わせだった。

交換の仕方

書くほどの事ではないが。。。

① 水栓を右回りで閉じる。何回転くらい回したか?大体覚えておく。

② 上のふたを開けると、ピストンとご対面でーす。

ピストンはがんばって引っ張りださなくても「少し今閉めた水栓をゆっくり開けてあげると、ふわーっと浮き上がってくる」のでこれが一番簡単。もちろん、つまめるほど浮き上がったら、水栓は再び閉めます。

ピストンを交換します。網の向きは関係ないと思うけど、一応同じ方向で。

③ ハンドルを交換します。

あとは元通りでOKなはずですが、調整もできます。添付参照。

水量はあたりまえに水栓部分で、「流す時間はてっぺんのネジを締めたりゆるめたりすることで、ピストンの動きを制限できるから、長めに流したいなら緩めればOK」

まとめ

作業自体は30分もかからないが、情報がなく、適合をしらべるのに異常に時間がかかった。なにか参考になれば幸いです。

おまけ

すごいぞ!TOTOフラッシュタンク式