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iPhoneXのイヤーピース修理に挑戦する

2021年1月16日

落下させてしまい耳元から相手の声が聞こえなくなった

子供のiphoneXなんですが、落下させて上の方がぐちゃぐちゃです。上の方は向こうが見えちゃってます。子供は「使えるっしょ、これくらい」と。まあ子供にとってスマホは、ゲームができればいいんだろうから楽観的ですね。画面もヒビだらけですが使えるようです。

そのうち子供から「あのね。使えるんだけど。耳の所から相手の言っている声が聞こえなくなった。スピーカーにしないと通話ができないんだよねー。」と。

あのね、それはすごいゲーム機ではあるけど、一番大事なのは電話なの、わかりますか?なんておっさんは思うわけです。

で、画面もヒビだらけなんで交換でもしてやるか~(実は液晶交換は前もやってる)と、純正再生パネル(iphoneXに限らず互換品はアヤシイよ。タッチも変わったりするから個人的には純正再生をお勧めする。)を入手して交換しようとしたら、、、、、

これ断線というか、イヤーピースのフレキシブルケーブルのはんだ部分が破損してんじゃん!

うわー厄介すぎる!!!


やっかいなFaceIDまわりの破損

実は「iphoneXなどのイヤーピースは、FaceIDのチップとケーブルで一体化しており、この一体となったパーツを他のものと交換した場合、イヤーピースは使えるようになるが、チップが暗号化されており基盤と唯一のペアとなっているため、FaceIDは使えない・有効にならない」

ことを何となく知っていたからです。

水没などで「イヤーピースのみ壊れた場合は、イヤーピースのはんだを外して新しいものをはんだすれば良いらしい」のですが、今回は肝腎のケーブルの接続部分のホールが根こそぎはがれています。

この場合取るべき方法は

1、Apple正規店に修理に出す: 唯一Appleだけがこの部分を完璧に修理できるらしい。まあ製造元だしね。→ いくらかかるかわからんしそれなら中古買うよ、パス。

2、環境光センサーと投光イルミネーター+近接センサーの2個のチップを取り外して、別のセットに移植する。
→ はんだ技術が高度すぎて無理。プロの作業は動画で公開されているが、、、、。

3、FaceID認証はあきらめて別のセットと交換する: お手軽

4、いや。。。。オレは接続部の修復に挑戦する!

そもそもフレキの修復って?

といきってみたものの、フレキの修復なんてしたことない。
それに修復例を見ると大体薄黄色のカプトン(ポリイミド)フィルムの修復で、スマホの黒い皮膜の奴で修復している例はなかった。そもそもこの被膜の素材は何なんだ?

あと、出てくる情報はたいていフレキ同士の接続だから端はきっちり合うだろうけど、こっちはちぎれて端子との間に隙間がある。

できんのか?こんなの?

やってみるしかない

予習: iFixitで復習 先端Y型の000番ドライバーと五角形のペンタローブ0.8mm or 0.9mm必須
https://jp.ifixit.com/Guide/iPhone+X+%E3%82%B9%E3%82%AF%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%B3%E3%81%AE%E4%BA%A4%E6%8F%9B/102423

フレキをはんだするためには、当然なかの銅箔を露出させなければならない。最初1000番のヤスリでやってみたら全然削れない。。。で他のフレキの修復例同様に、カッターを直角に立てて刃先で軽く擦ったら5、6回で中の銅箔が露出した。

問題はこのフレキ断端とイヤーピースの端子の間に、わずかに隙間があることと、その下にはイヤーピースの金属があることで、はんだを盛り過ぎて裏に回ると両端子が導通しちゃうのでダメってこと。

ここの絶縁はどうするか?カプトンテープを貼って絶縁する?頼んであるけど届くの明日なんだよなあ。。。もういいや、接着剤うすーくぬってやってみよ。

て、言うわけで爪楊枝を削って平たくして、うすーく塗って乾かして謎の被膜を作ってみた。ついでにこのフレキ自体も張り付けした。

はんだが乗らねえ、、、

さあ!はんだじゃー。やばいなフラックスが無い、、、。

ここまでの作戦は完璧に思えたが、やってみたら案の定「はんだが全然乗らないよ!」

フラックスが無いのが痛すぎる。あと、端子側と削ったフレキの端にわずかに被膜のカスが残っていたのか、それが溶けて余計に乗らん。。。

単純にはんだでブリッジすれば良いと思ったが、わずかなすき間があるせいで、そこではんだが分離しちゃう。

手持ちの配線のより線をばらして、中の銅線1本を渡してみたけど、はんだしてる時に動いちゃって駄目。

そもそも、導通したか確かめる方法がない。

テスターでコネクター根本とイヤーピース端子側で導通みようかと考えたけど、コネクターの端子が小さすぎて無理だし、変なとこに電圧かけて壊したくない。

仕方がないので、やってみては本体につなぎ再起動

「このiphoneでFaceIDをアクティベートできません」の繰り返し。。。。

一時間位、あーでもないこーでもないとやって、あきらめました(笑)

しかし、我ながらなんちゅう汚いはんだだ。ほったらかしにするのも何なので、元に戻してみたら!?

聞こえる!やったーイヤーピース復活!!!

でも、、、、、FaceID使えないな。。。

FaceID回りのチップが衝撃でずれちゃったのかな?ん?多分これが原因だな。

フロントカメラのレンズにひびが2本ほど入っております。。。。

まあ、フロントカメラ回りを移植すればFaceIDは復活するかも知れないけど、子供はFaceIDは最近使ってないから別に要らないと。

結局、何のための苦労だったのか不明。

ひょっとして、、、いつもの通りやってみたかっただけ?

同じようになことをやってみる方へ

  • フラックス、アルコール必須
  • 今回はフレキを接着してしまってからやったが、別々にやり、予備はんだがうまくフレキ側に乗ればもっときれいに確実に行くかも知れない
  • イヤーピース側の半田は一旦吸い取っておいた方が良い。
  • どうしてもフレキ側の加熱が不十分になる、かといって長く当てすぎると被膜が溶けて余計つかなくなる
  • フレキの破損がひどければ、ここの部分での接続にこだわらずイヤーピース端子と、ポリウレタン撚り線など細ーい配線を使って、フレキの接続しやすい部分でジャンパーするのもありなのかな?

あ、せっかく注文したので、後日カプトンテープ(寺岡製)貼っておいた。でわでわ。