天井埋め込みエアコンの「長年のドレンからの排水不良」を自分で直す
ある日エアコンから氷が落下してきた
猛暑なのにエアコンの冷房、全然効かないんだけど。あ、水が垂れてきた。
なんだこれ?フィンの所に氷の塊ができてる
さっきガラガラって音がしたからフィルター外してみたら。氷の塊が落ちてきた!
なんてことが複数回ありまいっていました。居間のエアコンは天井埋込式なので油断すると「本当に氷が上から降ってきます」「涼しげでいいじゃねえか!」と言われるかも知れませんが、これが発生するとエアコンの冷房がほとんど効かなくなります。
そもそも何でエアコンは水が出るのか?
エアコンの冷房では水が発生します。なぜですか?暖房はどうですか?
送風ファンから送られた夏の熱い空気は、冷たいフィン(=熱交換器)を通って冷やされ、冷たい空気へと変わります。そこで「空気の温度が下がるため、飽和水蒸気量が減り空気中にあった水分が析出する」わけです。
下記の動画は小学生用ですが、大人が見ても面白いのでぜひ!
それで、このフィンについた、たらたらの水を下の受け皿=ドレンパンで受けています。いっぱいになると溢れるてしまうので、受け皿にホースがついています、このホースがいわゆるドレンです。
ドレン不良の場合「情報に頼りすぎは、かえって問題を解決しづらくする。まず自分なりによく考えては?」
今や多くの情報が手に入り、質問箱でも親切に答えてくれる人が多いですが、個々のケースは様々なので、まず自分でよーく考えてみてはどうでしょう?
なぜ水が垂れるのか?
・水が垂れてくる場合に考えうることは
- ドレンの詰まり
- ドレンパイプの一部が高くなっている = いわゆるトラップの発生
- 天井埋め込みなどドレンポンプが入っているエアコンは、ドレンポンプ劣化の可能性
- (ごくまれ何十年も継続使用の時)ドレンパンのひび割れの可能性。※ まあプラスチックなのでほぼあり得ないでしょう
上記ではドレンの詰まりの可能性が一番高いです。壁掛けエアコンの場合は、このドレン水の排水ルートは「自然落下式」です。ドレンパイプの室外側はどうなっていますか?
室外側のパイプはコンクリートの地面に平置きではないか?その地面が逆勾配になってないか?カナブンなどムシが入り込んでいる可能性はないか?エアコンは取り付けてから一度も掃除してないけど、ドレンパン内の水がスライム状になってないか?などなど。
そしてまずやってみるなら、下記のいわゆるしゅぽしゅぽポンプで室外側から何度も引いてみることです。私も持ってます。※ スライム状のものが引けた時は、ドレンパンにスライムが発生しています。再発する可能性があるのでエアコンの清掃をしましょう!

2,のトラップの発生は考えにくいです。エアコンの取り付け屋さんは小さなトラップも作らないように作業するはずですし、この場合はエアコン取付当初から水が垂れてくるなど最初から排水不良が起こります。
だからこれが起こりうるのは「DIYで配管を再利用して新しいエアコンを取り付けた場合のみ」です。
エアコン取付の際に、ドレン側は水平より少し勾配をつけて下げるのですが、肝心のドレンホースが壁の部分で上がってしまった場合です。
3,当方のように天井埋め込みのエアコンの場合はさらに「ドレンポンプの動作不良」も考えないといけません。施工書にあるようにドレンパン内に水を注入しドレンポンプの作動実験をしてみます。
氷結はちょっとやっかい
- 一見きれいにみえるフィン=熱交換器が汚れで詰まっている
- 冷媒ガス不足
- (レアケース)室外機膨張弁や温度センサー=サーミスタ故障
氷結がやっかいなのは、氷結が溶けて水漏れになるとどっちが先なのかわからなくなることです。
1番が圧倒的に多い様です。エアコンのフィンは5年くらい清掃なしでも、ぱっと見結構きれいに見えます。ですがそれは見かけだけなので、フィンの奥にはねっとりとした汚れが蓄積しています。すると熱い空気はほとんどフィンを通らず=熱交換が行われない → フィンがどんどん冷たくなり氷結します。
2,エアコンのガス=冷媒不足では熱交換器で氷結します。理屈はほかのサイトで勉強してください。これはどこか閉鎖回路内に漏れがあるということなので、当方のブログも参考にしてみてください。
3,レアケースです。上記1,2を確認して問題ないならば、メーカーに見てもらう方が早いです。
長年のドレンからの排水不良についに終止符をうった
我が家の天井埋め込みエアコンの、長年のドレン不良の苦悩と解決を書いときます。
当方は新築時に天井埋め込みエアコンを後付けしました。かっこよさもありますが、冷房の効きを考えた時に壁掛けのやや低い位置ではなく、天井から冷風が出るのは理にかなっているから、と考えたからです。
依頼した業者はエアコン専門ではないですが、家庭内の壁掛けエアコンやBSアンテナなどお願いしていて、作業内容をみていても派手さはないものの信頼のおける会社でした。
ですが2シーズン目から「水が垂れる」問題が出だしました。そのうちフキダシにあるような氷結が出だし、ダイキンに見てもらったら「熱交換器交換」と言われ、8万円以上の高額な修理費を見積もりされました。
見てくれたダイキンのサービスによくお話を聞くと、修理しても新品から5年以上たっているから別の部分が壊れるかも?ってことで、新品の本体と室外機を安いところで注文して配管は再利用で、ちがう業者に取付お願いしました。
しかし、水漏れは直ることなく夏のシーズンには「エアコンの効きが悪いなあ~」「あ、水が垂れてきた」「パパ!しゅぽしゅぽやってきて!」と、暑い日は毎日何回も上記のポンプで引くようなありさまでした。でもそれで問題ないので、夏は毎シーズンそれでこなしてました。
ある時、エアコンの清掃などをyou tube「DIYをめぐる冒険」さんに触発されて、自分でやってみたころからずっと考え続けてきました。
うちの天井エアコンのドレン排水不良はなぜ起こるのか?と。
天井の点検口からドレンパイプを見ると「施工書通り5-15cm以内でドレンアップされており、ドレンポンプは清掃したし、ドレンパンも清掃した。ドレン排水の実験もしてドレンポンプ自体の能力に問題はない。」
にもかかわらず、中途半端なドレン排水不良が起こるのはなぜか?と。
この記事を書いたころは、「ドレンアップされた部分の配管の固定がない」・「当初ドレンパイプが固定されたであろう固定具が外れている」「エアコン本体とドレンパイプの接続のホースクランプがゆるゆるでドレンホースが簡単に動く」つまり「ドレン水が入っていない時は十分な勾配が付いているが、そこにドレン水が充満すると重さで垂れ下がる」のではないか?と考えました。
ドレンアップを15cmぎりぎりぐらいまで上げ、タイラップで固定したところなんとなく改善した気はしました。
しかし次のシーズンからやっぱりしゅぽしゅぽ吸わないと効きが悪い。全く効かなくなったりするわけではないし、氷結もしないんだがぬるい感じになる。。。。
ずーっと考え続けてきました。
で重い腰をあげて天井裏のドレンパイプ保護カバーをカットしてみてやっとわかりました。
「これドレンパイプがVP25じゃなくてVP20で施工されている!エアコン本体からはVP25なのになんでだ?」
施工書は白抜き文字で 配管はVP25を使用する事 と書かれています。それほどドレンパイプの径が大事だということです。
とはいえ、ドレンパイプ全体をVP25に交換する=外壁2.5M+天井裏の約2M を交換するのは相当な覚悟が必要で、下手すると天吊り金具から本体全体を外す=取り付け工事に近いことをやりなおす必要があり、エアコンの洗浄まで同時にすると1日で終わらない可能性があり、しかもそれでドレン不良が完全に直るかわからず躊躇してました。
しかしついにやりました。朝からはじめてぶっ続けで20時間くらいかかりました。以前と同じようにドレンアップするかどうかでかなり悩みました。
ドレンアップする理由はドレン配管に十分な傾斜が取れない時であって、1/100勾配が取れればストレートの方が自然なのは自明。施工書には「ドレンアップしない場合はドレンポンプの音が大きくなる可能性があります」と書いてあるが、音なんかどうでも良い排水第一だ。ドレン配管はドレンアップせずに直結としました。新品のドレンモーターの取り付け方が悪いのか初期不良かで深夜1時に旧モーターに交換しました。
外したドレン配管の保温材を裂いたところ長年のドレン不良の原因がやっとわかりました。

ドレンアップした先にVP25からVP20への異径ジョイントがあって径が細くなっています。ここが中途半端な排水不良の原因ですね。やれやれ。。。。
ん?初期施工不良じゃねえか!!!
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません